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自己破産について

<自己破産について>
自己破産とは・・・
破産とは、債務者が多額の借金などにより経済的に破綻してしまい、自分のもっている資産では全ての債権者に対して完全に弁済することができなくなった場合に最低限の生活用品などを除いた全ての財産を換価して、全債権者にその債権額に応じて公平に弁済することを目的とする裁判上の手続のことをいいます。破産の申立ては債権者からもできますが、債務者自らが申立てる破産を自己破産といいます。

自己破産すろと・・・

◆破産者名簿と官報に記載される
自己破産をすると、周り近所にその事実が知られるのではないかと心配する方が多いのですが、そのような心配はまずないといっていいでしょう。破産手続開始決定を受けても戸籍や住民票に記載されることはないので、子供の就職や結婚などに影響が出ることはありません。しかし、破産者の本籍地の市区町村役場の破産者名簿には記載されますが、これは第三者が勝手に見ることはできませんし免責決定を受けると破産者名簿からも抹消されます。また、破産手続開始決定は官報に掲載されますが、一般人が官報などを見ることはまずありませんし、裁判所から勤務先の会社に連絡がいくようなこともありませんので、会社をクビになるようなことはありません。

◆選挙権を失うことはない
自己破産をしても選挙権や被選挙権などの公民権は喪失しません。しかし、破産者は弁護士・司法書士などの職に就くことはできなくなるなど一定の資格制限があります。ただし、免責決定を受ければ、この資格制限もなくなります。
 
◆ブラックリストへの登録
自己破産をすると、信用情報機関にいわゆるブラックとして登録されてしまいます。この登録機関は、信用情報機関によって多少の違いがありますが、およそ5年~10年です。このブラックリストに登録されると、その期間は銀行やサラ金からお金を借りたり、クレジット会社からカードの発行を受けることが困難となります。しかし、銀行や郵便局に預金をしたり、公共料金の引き落としまでができなくなるわけではありません。

◆マイホームは手放すことになる
自己破産は借金整理の最終手段ですので当然、必要最低限の生活用品を除く全ての財産は強制的に換価されて、債権者に平等に分配されますので、マイホームのように非常に財産価値が高いものは、当然に換価されることになります。具体的には破産管財人によって任意売却されるか競売にかけられることになりますが、すぐに家を追い出されるというわけではなく、実際に新しい買主が現れるまでは従来どおりに住み続けることができます。現実には、破産を申立ててから不動産が売却されるまでに半年以上かかることも珍しくありませんので、その間であれば追い出されることはないといえます。
 
◆生活用品まではとられない
自己破産は清算手続きなのですから、当然お金に換えることのできる物であれば強制処分されてしまいます。しかし、そうはいっても債務者の最低限の生活は保証されていますので生活する上での必要最低限の家財道具は差押禁止財産として取上げられることはありません

◆自己破産が終了するまでの期間
自己破産の申立てから免責決定までは裁判所や個々の事情によっても多少の違いはありますが、およそ半年程度です。しかし、東京地方裁判所においては弁護士が代理人となって申立てる個人の破産申立てに関して即日面接を採用しており、即日面接を利用した同時廃止事件の場合は、全ての手続きが終了するまで3ヶ月程度で済むので、非常にスピーディーといえるでしょう。

 

<自己破産の費用>
自己破産申立費用
◆自己破産の申立てを自分でする場合(破産管財人の選任がない場合)
⇒約2~3万円の実費
(内訳:予納金約2万円、収入印紙1500円、郵便切手約5000円)
※詳しい、費用は裁判所によって異なりますので、一度裁判所にお問合せして下さい
 

◆自己破産の申立てを専門家(弁護士・司法書士)に依頼する場合
・弁護士の場合
⇒実費+着手金20~50万円(+報酬額20~50万円)
※着手金・報酬額は各事務所によって異なります(あくまでも一般的料金です)

・司法書士の場合
⇒実費+報酬額15万円~30万円
※着手金・報酬額は各事務所によって異なります(あくまでも一般的料金です)  
 
 【法律扶助制度】
法律扶助は、国民の権利の平等な実現をはかるために、法律の専門家(弁護士・司法書士)による援助や、裁判のための費用を援助する制度であり、当事者の間の経済力の差が権利の差にならないように、社会的公平を確保するのが法律扶助の目的です。
実際に、法律扶助制度を利用して自己破産の申立てをする場合に、法律扶助協会がいくら立て替えてくれるのかは以下のとおりです。
 

・司法書士に依頼する場合
合計10万1000円(内訳:実費1万7000円、報酬8万円、消費税4000円)
※ただし、債権者数が21社以上の場合は11万1500円
 

・弁護士に依頼する場合
合計14万9000円(内訳:実費2万3000円、報酬12万円、消費税6000円)
※ただし、債権者数が11社から20社までの場合は17万円
※ただし、債権者数が21社以上の場合20万1500円
 
<没収される資産>

上記で資産の没収について説明しましたが、ここでは具体的に没収される資産について説明します。

■プライバシーが害されるようなことはありません・・・
自己破産をしますと、「裁判所から人がドヤドヤやって来て、家財などに差押の赤紙をベタベタと貼っていく・・・」などという俗説を信じている人が未だにいます。しかし、こんな事実は全くありません。
そもそも、一般的な自己破産の場合、いわば資産リストは自己申告制ですから、裁判所が資産の査定にわざわざ来訪することなどありません。
また、家屋が競売にかかる場合などでも、その査定には数人の調査員が事前の連絡のもと、こっそりと来訪しますから近所の目を気にすることもありません。

■日常生活、社会生活、仕事に必要なものや年金などは没収されません・・・
自己破産とは、自己破産者という烙印を押す制度ではありません。経済的更正を目的とした救済制度です。
ですから、日常生活、社会生活、仕事に支障を来すのでは意味がないことから、そのデメリットは無いに等しいのです。
そんな観点から、電話、テレビ、パソコン、いわゆる白物家電、家具、寝具、自転車、その他、日常生活、社会生活、仕事に必要なものは没収されません。
また、年金もしかりです。年金を没収したのでは、お年寄りに死ねと言うのに等しく、自殺者が続出してしまいます。ただし、例えば、通帳に99万円を超える残高がある場合には、その超えている金額は年金であっても資産とみなされます。
以上、自己破産をしたからといっても、それまでの環境と変わりない生活を送ることができます。

■自己破産者以外の所有資産は没収されません・・・
不動産、車、家財、預金、その他、所有者名義が自己破産者でない限り、同居する配偶者、親、子供、兄弟などが所有する資産は没収されません。
ですから、車などと違い家財などは所有者がわからないわけですから、本当は自己破産の申請者が購入した品物であったとしても、他の同居家族の持ち物という嘘の主張が通ってしまうのです。
そもそも、一般的な自己破産であれば、裁判所が資産の調査になどにわざわざ来たりはしません。いわば資産リストは自己申告制ですから、正直に載せる人などいないのが実情のようです。
なお、だからといって当会では、「要領よくやるほうが賢明・・・」などと、説いてるつもりはありませんので念のため。

■破産宣告を受けた以降に購入や収得した資産は没収されません・・・
一般的な自己破産の大まかなプロセスは、自己破産の申請→破産宣告→免責 となります。
この裁判所からの破産宣告を受けた以降に購入や収得した資産は没収されることはありません。
ですから、例えば自己破産の申請をする直前にローンを完済している車を売却してしまい、破産宣告を受けた直後に中古の低価格な軽自動車などを購入するケースが多々見受けられます。
また、破産宣告を受けた直後に、仮に宝くじで3億円に当選したとしても、一円たりとも没収されることはないのです。

■没収の基準範囲・・・
1品で20万円を超える資産の全て、及び総資産で99万円を超える分。
詳細は省きますが、この自己破産者が保有できる99万円以内を「自由財産」といい、没収される資産を「破産財団」といいます。
ちなみに、資産が現金だけの場合、99万円以内ならば自由財産として保有できます。
なお、資産の査定価格ですが、購入したときの価格ではなく、現状の中古品としての評価額となります。リサイクルショップなどの買取価格と考えてもいいでしょう。
ですから、例えば、数十万円したテレビでも数年も経てば二束三文であり数千円の価値しかありません。それどころか、逆にお金を払わないと引き取ってもらえないくらいです。ただ、中古車だけはこの限りではありません。
以上の観点から、一般家庭には1品で20万円を超える家財はないでしょうし、総額で99万円を超えるケースもないように思います。

○家財
自己破産とは、自己破産者という烙印を押す制度ではありません。経済的更正を目的とした救済制度です。
ですから、日常生活、社会生活、仕事に支障を来すのでは意味がないことから、そのデメリットは無いに等しいのです。
そんな観点から、宝石などよほど高価な品物はこの限りではありませんが、電話、テレビ、パソコン、いわゆる白物家電、家具、寝具、自転車、その他、日常生活、社会生活、仕事に必要なものは没収されません。
ですから、自己破産をしたからといっても、それまでの環境と変わりない生活を送ることができます。

○車、バイク
はじめに、愛車を手放したくないという、ただそれ1点だけの理由で、自己破産をためらう“大バカ者”を見受けます。
そのような大バカ者は、本当は車などなくても日常生活に支障はないにもかかわらず、「交通手段に車は必要不可欠・・・」などと、幼稚、且つ自己中心的な嘘の屁理屈を並べ立てる特徴があります。
自分が借金地獄に陥っていることを省みず、未だに甘えから抜け出せない典型的なパターンです。
こんな危機意識のない人間は、経済破綻者が救われる最後の砦というべき自己破産のチャンスさえ見逃すこと必至であり、借金地獄からの脱出は絶望的といえるでしょう。
日常生活に本当に車が必要不可欠な人がいるのは解ります。であるならば、10万円程度の中古の軽自動車に乗り換えれば事は足りるはずです。現にそのようにしている自己破産者が大勢います。
ローンが残っているケース・・・
現状での所有者であるローン会社や販売店が車両を売却しローンに充当します。
なお、保証人がついているケースでは、売却代金をローンに充当してもまだ残債がある場合、その保証人へ支払い請求がいきます。
なお、ローンの残債より買取の査定価格のほうが上回る場合、自己破産の申請をする前に任意売却をしてしまい、その売却代金をローンの残債に充当し完済してくれたほうが、ローン会社にしてみれば車を引き取るより手間が省けるので都合がいいようです。
ローンが完済している、もしくは現金で購入したケース・・・
査定価格が20万円以上の場合には原則、没収されます。
しかし、いわば資産リストは自己申告制のようなものですから、実際には査定価格が20万円以上と思える場合でも、没収されていないケースを多々見受けます。
また、自己破産の大まかなプロセスは、自己破産の申請→破産宣告→免責 となるわけですが、この裁判所からの破産宣告を受けた以降に購入した資産は没収されることはありません。ですから、自己破産の申請をする直前に車を売却してしまい、破産宣告を受けた直後に中古で低価格な軽自動車などを購入するケースや、その売却金を自己破産の手続費用(弁護士料など)に充てるケースが多々見受けられます。

○住宅
現金購入や、住宅ローンを完済しているケース・・・
破産財団(没収される資産のこと)となるため手放さなくてはなりません。
なお、自己破産の申請をしてから、競売などを経て、実際に第三者の手に渡るまでにはかなりの時間(中には5年とか10年以上のケースも有る)を要します。ですから、その間はそれまでと変わりなく住み続けることができます。もちろん、家賃の必要はありません。
また、その競売の落札者が実際に明け渡しを求める際には、自己破産者が新居に移るに必要な賃貸借契約料、その他引っ越し費用を負担しなくてはならないのが実情です。要するに、いくら自己破産をしたからといっても居住権は強いということです。
ただし、落札者に対して法外な要求をしますと、裁判所から強制立退の命令を下されてしまいます。
住宅ローンの残債があるケース・・・
住宅ローンの債権者が「任意売買」とか「競売」という方法により処分をし、その売却代金を残債の返済に充当します。
なお、どちらの処分方法もかなりの時間(中には5年とか10年以上のケースも有る)を要します。ですから、その間はそれまでと変わりなく住み続けることができます。もちろん、ローン返済や家賃の必要はありません。
また、例えば、その競売の落札者が実際に明け渡しを求める際には、自己破産者が新居に移るに必要な賃貸借契約料、その他引っ越し費用を負担しなくてはならないのが実情です。要するに、いくら自己破産をしたからといっても居住権は強いということです。
ただし、落札者に対して法外な要求をしますと、裁判所から強制立退の命令を下されてしまいます。
例えば、土地が自己破産者で家屋(上物)が他の人の名義、自己破産者と他の人との共有名義のようなケース・・・
自己破産者に関しては上記の2例と基本的に同じです。
しかし、自己破産者でない名義人に関しては何らの拘束も受けません。
そのため、このようにやっかいな問題を含んだ物件を敢えて購入する人はそうそういません。
その結果、自己破産をしても半永久的に住み続けられるという実情もあります。もちろん、ローンの支払いや家賃は必要ありません。

○給料
税金や社会保険料などを控除した手取給料の25%、または33万円を超えた金額のどちらか高いほうが差押の対象になります。
ですから、例えば、手取給料が45万円の試算では、前者が約11万円、後者が12万円となり、後者が差押の対象となります。
ただし、 自己破産による給料の差押は裁判所が行使するものであり、債権者が直接行使することはできません。
その上、自己破産の大まかなプロセスは、自己破産の申請→破産宣告→免責 となるわけですが、給料の差押が可能な期間は、破産宣告から免責決定までのおよそ3ヶ月間(同時廃止の場合)に過ぎません。
しかも、自己破産により差押えた金額をさらに債権者の全社で分け合うことになるため、1社あたりの回収金額は本当に微々たるものになります。
さらに、債権者側は差押を行使するには予納金を支払わなくてはならない上、手続きも大変です。
ですから、債権者の多くは裁判所に「差押の申立」をしないのが実状のようです。
その結果、裁判所からは会社に何の通知も行くことなく、自己破産した事実は会社にも分からないケースが殆どですなお、仮に会社に自己破産した事実がわかってしまったとしても、会社は自己破産したことを理由に解雇することは法的にできません。
ただし、警備業、保険外務員など特定の業種に限り、破産宣告から免責決定までのおよそ3ヶ月間 (同時廃止の場合)は、その仕事に就けないという定めがあることから、雇用契約上の解雇理由にしている会社もあります。
しかし、自己破産したことを会社に自己申告せずそのまま就業している人を多々見受けます。

○退職金
厳格にいいますと、勤務する会社との間に退職金制度の契約を締結している場合には、その算出規定に基づいた退職金計算書を勤務先から取得し、自己破産の申請をする際に提出します。
基本的には退職金の8分の1を没収されますが、その金額が20万未満であれば没収されません。
退職金は退職時に支払われる性質上、自己破産の手続中において同等の金額を裁判所に(正確には破産管財人に)納めることになります。
が、「退職金制度の契約など存在しない・・・」と言ってしまえばそれまでです。
また、いつ退職するかわかりもしませんのに、その退職金を算出することなど非現実的すぎます。
また、経済的に逼迫しているからこそ自己破産を余儀なくするわけであり、仮に何十年をも勤務した場合の退職金(超高額)を自己破産の手続中に納めることなど物理的に不可能であり非現実的すぎます。
以上の観点から、この退職金に関する没収を受けるケースは無いのが実情です。

○保険解約返戻金
例えば、生命保険の解約返戻金の受取人が自己破産の申請者であった場合、その20万円を超える金額は没収されます。
なお、病気その他の都合により、保険を解約することにより多大な不利益を被る場合には、自由財産(前述を参照)の拡張の申立をすることにより、保険を継続できる可能性はあります。
しかし、いわば資産リストは自己申告制ですから、仮に保険解約返戻金があるとしても、保険に加入していることを正直に申告する人などいないのが実情のようです。
(なお、だからといって当会では、「要領よくやるほうが賢明・・・」などと、説いてるつもりはありませんので念のため。)

○現金、預金
前述の「没収の基準範囲・・・」をお読みください。
なお、預金などがある場合、不自然のない範囲内で、その現金をしばらくの間はタンス貯金にしておく人を多々見受けます。
(なお、だからといって当会では、タンス貯金を勧めているわけではありませんので念のため。)

○知人などへの貸金、その他
貸金なども資産であり没収の対象となります。
しかし、いわば資産リストは自己申告制ですから、仮に貸金があるとしても、正直に申告する人などいないのが実情のようです 。

 

<自己破産の手続きの方法>

◆自己破産する際の必要書類

以下に裁判所に自己破産を申立てる場合に必要な書類を記載してありますが、破産申立ての書式や必要書類は全国の裁判所ごとに若干の違いがありますので、ご自分で申立てをされる際は事前に裁判所に問い合わせをして下さい。

<自分で用意する書類 裁判所で入手する書類>
・住民票 ・破産申立書 ・戸籍謄本 ・陳述書 ・給与明細書の写し ・債権者一覧表 ・源泉徴収票の写し ・資産目録
・市民税・県民税課税証明書 ・家計の状況 ・預金通帳の写し ・免責申立書 ・賃貸契約書の写し ・不動産登記簿謄本  
・退職金を証明する書面  ・車検証の写し  ・自動車の査定書   ・保険証券の写し   ・保険解約返戻金証明書  
・年金等の受給証明書の写し   
 

◆裁判所に申立て書類を提出する際の注意点

裁判所に自己破産を申請する場合は2万円程度の予納金が必要です(裁判所によって異なります)。 この費用は、破産手続開始決定を官報(政府発行の機関紙)に掲載する費用です。
この予納手続は、申立ての際に受付で受取る納付書に必要事項を記入して裁判所の会計課にお金と一緒に持参すればすぐに終了します。
予納金は必ずしも申立てと同時に収める必要はありませんが、これを納付しないと自己破産の手続が先に進みませんし、長期納付しないでいると自己破産の申立て自体が却下されてしまうのでできるだけ申立てと同時に納付しましょう。
また、自己破産の申立て自体を郵送で行うことも可能ですが、この場合の予納手続は後日行うことになりますので注意が必要です。郵送で申立てをする際は、普通郵便ではなく必ず書留で送りましょう。 さらに予納金とは別に5.000円程度の郵便切手を添付する必要があります。これは、裁判所が申立人と債権者に書類を郵送する際に使用するためです。
そして、申立てに際して一番重要なことは受付票(受理証明書)を交付してもらうことです。
本来であれば債権者であるサラ金業者は破産の申立てがあったことを知った時点で取立てが規制されていますが、業者は破産の申立ての事実を口頭で伝えても簡単には取立てを止めてはくれないのが現状です。
特に、専門家(弁護士・司法書士)が関与していない自己破産では、破産申立て後も請求を止めない業者が少なくないからです。
ですから、申立てをしたら破産の申立ての受付票(受理証明書)を裁判所から交付してもらい、その日のうちに全業者にFAXする必要があります。

 

◆自己破産手続の大まかな流れはどうなっているのですか?

以下が、自己破産(同時廃止)の大まかな手続の流れです。
日数はおおよその目安ですので、申立てをする際は裁判所に事前に確認して下さい。

1 自己破産の申立て 申立人の住所地を管轄する地方裁判所に申立書を提出します。
問題がなければ申立ては受け付けられます。
 ↓   
2 破産審尋 裁判官から支払不能になった状況などの質問を受けます。
 ↓   
3 破産手続開始決定
同時破産廃止決定  破産審尋の数日後に破産手続開始決定がされます。めぼしい財産がなければ同時廃止の決定がされます。
 ↓   
4 免責の審尋  破産法の改正により行われない場合もあります。
 ↓   
5 免責の決定 同時破産廃止決定から1~2ヵ月後くらい後に決定される。
 ↓   
6 官報に公告  
 ↓   
7 免責の確定 これで借金が全てなくなります。
裁判官から免責不許可事由に該当することがないか質問を受けます。
 
    
 <自己破産Q&A >

自己破産についてQ&A形式にまとめました。

Q1 自己破産って聞いたことはあるのですが、いったいどういう制度なの?
A ~自己破産は最後の手段!~
破産とは、債務者が多額の借金などにより経済的に破綻してしまい、自分のもっている資産では全ての債権者に対して完全に弁済することができなくなった場合に最低限の生活用品などを除いた全ての財産を換価して、全債権者にその債権額に応じて公平に弁済することを目的とする裁判上の手続のことをいいます。
破産の申立ては債権者からもできますが、債務者自らが申立てる破産を『自己破産』といいます。
このように自己破産は必要最低限の財産以外は全て処分されてしまいますが借金も全てなくなりますので、借金整理の最後の手段と言えるでしょう。
よく夜逃げや蒸発をする方がいますが、それでは何の解決にもなりません。
自己破産をすることで解決するのであれば、迷わず自己破産することをオススメします。
   
Q2 どのくらいの借金があれば自己破産ができるの?
A ~支払不能とは?~
自己破産の申立てをするには破産原因が必要です。
この破産原因とは、つまり支払不能状態にあるということです。
したがって、自己破産の申立てをして、裁判所に『申立人は支払不能の状態である』と認められることによって破産手続開始決定の決定がされることになります。
そして、この支払不能とは『債務者が弁済能力の欠乏のために即時に弁済すべき債務を一般的かつ継続的に弁済することができない客観的状態』をいうとされ以下の3つの要件が必要です。

1 弁済能力の欠乏 金銭や小切手のみならず信用・労務・技能によっても金銭を調達することができないことをいいます。
したがって、財産がなくても債務者の信用や労力によって金銭を調達し得れば、弁済能力の欠乏とは言えず、逆に、財産はあってもそれを金銭に換えることが困難であれば弁済能力の欠乏といえます。
2 履行にある債務の弁済不能 将来の債務や支払に猶予期限が付けられている債務については、その期限到来前に支払不能になるということはありませんので今現時点で支払う必要のある債務に関して支払うことができない状態にある必要があります。
3 支払不能が継続的・客観的である 支払不能状態は継続的でなければいけませんので一時的なお金の欠乏では支払い不能状態とはいえません。
 

支払不能かどうかの判定は、その人の収入・資産状態・社会的地位によって大きく異なってくるのは当然ですが、月収20万円前後の一般サラリーマンの場合は、クレジットやサラ金(金利30%程度)からの借金の総額が350万円~400万円であれば、月々の支払が8万円~10万円になりますので支払不能状態といえるでしょう。
この支払不能状態の判定は難しい場合もありますから司法書士のような専門家にご相談下さい。
    

Q3 自己破産をしたことは周りのみんなに知られてしまうの?
A ~周りに知られることはほとんどない~
自己破産をすると、周り近所にその事実が知られるのではないかと心配する方が多いのですが、そのような心配はまずないといっていいでしょう。
破産手続開始決定を受けたからといって戸籍や住民票に記載されることはないので、子供の就職や結婚などに影響が出ることはありません。
しかし、破産者の本籍地の市区町村役場の『破産者名簿』には記載されますが、これは第三者が勝手に見ることはできませんし免責決定を受けると破産者名簿からも抹消されます。
また、破産手続開始決定は官報に掲載されますが、一般人が官報などを見ることはまずないですし裁判所から勤務先の会社に連絡がいくようなこともありませんので、会社をクビになるようなことはありません。
万が一、会社に知れたとしても、破産したことをもってクビにすることは許されません。
しかし、現実には勤務先にサラ金業者から執拗な督促の電話がかかってくることもあり、これにより会社に知られてしまい居づらくなることは考えられます。
自己破産をすれば業者の取立て行為は規制されますが、会社への電話などによる督促行為を100%止めることはできないのが現実です。
そこで、信頼できる上司などには正直に今の現状を打ち明けて理解を求めるようにして下さい。
 
Q4 自己破産をするとブラックリストに載ってしまうの?
A ~ブラックリストに登録される~
自己破産をすると、信用情報機関にいわゆるブラックとして登録されてしまいます。
この登録機関は、信用情報機関によって多少の違いがありますが、およそ5年~10年です。
このブラックリストに登録されると、その期間は銀行やサラ金からお金を借りたり、クレジット会社からクレジットカードの発行を受けることが困難となります。
しかし、最近は、自己破産をすれば他の業者からの請求が止まり、返済に回せるお金ができることを逆手に取って、新たに融資をする悪質業者が出てきています。
破産手続開始決定に回数制限はありませんが、前回の免責から7年経過していないと免責不許可事由となりますので、くれぐれも一度自己破産をしたならば同じ過ちを繰り返さないようにして下さい。
 
Q5 自己破産をすると今住んでいるアパートを出なくてはいけないの?
A ~アパートを追い出されることはまずない~
破産をしたからといって、アパートを追い出されてしまうことはまずないと言えます。
しかし民法では『借家人が破産した場合には、家主は解約を申出ることができる』とされています。
よって、この規定によれば破産者は非常に不安定な状況にあると言えますが、実際に破産したことが家主に知られることはまずないので、そんなに心配することはないでしょう。
もちろん、既に家賃が何ヶ月も滞納していたりすれば明け渡しを求められるのは当然です。
また、万が一破産の事実を家主に知られてしまったならば、正直に今の事情を話して理解してもらうしかないでしょう。
 
Q6自己破産をすると保証人に迷惑はかかるの?
A ~保証人には正直に事情を話しましょう~
債務者本人が自己破産をして免責されたとしても、それは保証人には何の影響もありません。
よって、債務者の他に保証人・連帯保証人がいるのであれば、今度はそちらに借金の督促が集中することになります。
だからと言って、保証人に迷惑はかけられないといって自己破産を躊躇しても何の解決にもなりません。
ですから、自分が自己破産をする前に必ず保証人にも今の実情を正直に話して、その保証人を含めた債務整理を考える必要があります。
場合によっては保証人も自己破産をする必要がでてきますがそれも仕方ないでしょう。
とにかく大切なことは保証人に対して誠意をもって全てをきちんと説明するということであり、そのような義務が債務者にはあるのです。 

Q7 自己破産をすると銀行取引はできなくなるの?
A ~通常の預金や公共料金の支払は問題ない~
自己破産をすると当然ブラックリストに登録されてしまいますので、銀行から融資を受けることはできなくなります。
だからと言って、銀行や郵便局に預金をしたり公共料金の引き落としまでができなくなるわけではありません。
しかし、一つ気をつけて欲しいのが、給与の振込先の金融機関に対して借金があるような場合やその口座からクレジット会社の引落としがある場合です。
このような場合、その口座に給与が振込まれますと、その金融機関は自分の債権と給与を相殺したり、クレジットの引落としを継続してしまう可能性があります。
そもそも自己破産というのは、全ての債権者に対して平等に財産を分配する制度ですので、このようなことがありますと一部の債権者に対する弁済とみなされる可能性がありますし、せっかく自己破産をしてやり直そうと思っている債務者の生活を圧迫することになります。
したがって、このような場合は破産の申立てと同時に給与の振込先口座を変更するようにしましょう。
 
Q8. 自己破産をすると退職金や生命保険の解約返戻金はどうなるの?
A ~退職金も財産とみなされる場合がある~
通常、退職金に関しては、将来もらえるであろう見込み額の4分の1~8分の1程度の金額を債権者の配当にまわすように指示されます。
しかし、この取扱については裁判所の間でも多少の違いがあるので事前に調べておきましょう。
もちろんこの場合でも、実際に会社を辞める必要はありません。
また、裁判所から指示されたお金を債務者が用意することは極めて困難ですので、実際のところは、裁判所に一定の猶予期間をもらってその間に用意したり、債務者の親族に借りたりすることになるでしょう。
生命保険の解約返戻金も、その額(20万円以上が一応の目安)によっては、退職金と同様に財産とみなされ、債権者へ分配されます。
よって、破産手続開始決定の申立ての際に、生命保険会社から交付される解約返戻金の証明書を添付します。
これも裁判所によって多少の違いがありますので事前に確認してください。
 

Q9 自己破産をすると選挙権や職業は制限を受けるの?
A ~選挙権はあるが一定の資格や職種に制限がある~
自己破産をしても選挙権や被選挙権などの公民権は喪失しません。
しかし、破産者には以下のような資格制限があります。
既に以下の資格や職種に就いていた人が破産をすれば、その資格や職を失うことになりますが免責決定を受ければ、この資格制限もなくなります。


◆弁護士・公認会計士・司法書士・税理士・行政書士・宅地建物取引主任者・株式(有限)会社の取締役・警備員・生命保険の外交員など
 
Q10 自己破産の申立てをすると業者からの取立てが厳しくならないの?
A ~申立てをするとほとんどの業者はおとなしくなる~
自己破産の申立てをすると、裁判所から各サラ金業者へ意見聴取書が送付されますので、これによりサラ金業者も債務者が破産の申立てをしたことがわかります。
これは、裁判所からの通知ですので大抵の場合は厳しい取立ても止み、業者はおとなしくなります。
しかし、申立てから意見聴取書がサラ金業者に送付されるまでには若干時間があるので、自己破産の申立てと同時に、各サラ金業者に通知書を送付した方がいいでしょう。
この通知書を送付したにも関わらず厳しい取立てを受けるようでしたら監督行政庁に苦情申立てをして行政指導を求める申立てをすればいいでしょう。
この申立てをするには、違法行為を行った業者を特定する必要があるので、取立てを受けた際は必ず業者名と担当者名を聞いておき、具体的な違法行為についてメモをしておきましょう。
 
Q11 審尋の日にサラ金業者が来て文句を言われたりしないの?
A ~まず業者は出席しない~
自己破産の申立てをすると破産申立て時に1回と免責申立て時に1回の計2回の審尋があり、このうちの免責申立て時の審尋には債権者の出席も認められています。(ただし、破産法の改正により免責審尋は必ずしも行われないことになりました。)
しかし、現実にはサラ金業者がこの審尋に出席して異議を述べることはまずありません。
たとえ異議を述べたとしてもそれが免責不許可事由に該当しなければ全く意味がありませんし、業者としてもそんな意味のないことに労力を費やすようなことはしないのです。
しかし、万が一異議の申出を受けた場合はきちんと反論する必要があるので注意が必要です。
 
Q12 自己破産の同時廃止ってなに?
A ~自己破産申立ての90%以上が同時破産廃止になる~
債務者の財産が少なくて破産手続きの費用すら用意できない場合、破産手続きを進める意味がないので、こういう場合は破産手続開始決定と同時に、破産管財人を選任することなく破産手続きを終結してしまいます。
これを『同時破産廃止(同時廃止)』といいます。
こうなると、破産者の財産は一切換価処分されることなく、その後新たに取得した財産については破産者自らが自由に処分しても構わないことになり、居住制限もなくなります。
しかし、同時廃止といっても、債務者が破産者になることに変わりはありませんので公私の資格制限(司法書士・弁護士・税理士・会社役員など)はあります。
また、破産手続開始決定後に破産管財人が選任され、現実に破産手続きが開始されはしたが、換価できるような財産が少なくて破産手続き費用も出せないと認められるときには、破産管財人が申立てるか又は裁判所の職権で破産廃止決定がされて、破産手続きを中止します。
これを『異時破産廃止(異時廃止)』といいます。
 

Q13 自己破産の免責決定ってなに?
A ~免責決定を受けなければ何の意味もない~
一般の方はよく破産の申立てをして破産手続開始決定を受ければ、借金がなくなると思っています。
しかし、実際は免責決定を受けて初めて借金がなくなるのです。
したがって、自己破産をする最終的な目的はこの免責決定を得ることであると言っていいでしょう。
この免責決定が確定すると『復権』といって、債務者は破産手続開始決定のない以前の状態に戻り、公私の資格制限も解かれて全く普通に生活することができるようになります。
この免責申立ての期間は同時破産廃止決定がなされた場合は、廃止決定が確定(官報公告より2週間)してから1ヶ月以内に行わなければいけません。
 
Q14 自己破産の申立てをしても免責されない場合はあるの?
A ~不許可事由に該当しない限り免責される~
免責の申立てがあると、裁判所は破産者を免責するかどうか審理します。
そして、以下の免責不許可事由に該当しない限り免責決定をしなければいけません。

1 破産財団(破産手続開始決定時に破産者が持っていた財産)を隠したり、壊したり、債権者に不利益に処分したとき
2 破産財団の負担を偽って増加させたとき(虚偽の抵当権をつけるなど)
3 商業帳簿を作る義務があるのに作らなかったり、不正確または不正の記載をしたり、あるいは帳簿を隠したり、破り捨てたりしたとき
4 浪費や賭博などの射倖行為で著しく財産を減少させたり又は過大な債務を負担したとき
5 破産手続開始決定を遅らせる目的で著しく不利益な条件で債務を負担したり、信用取引で商品を買い入れ著しく不利な条件でこれを処分したとき
6 破産原因があるのに、ある債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり、弁済期前に弁済するなどしたとき
7 破産手続開始決定前1年内に破産原因の事実があるのにそれがないことを信じさせるため詐術を使って信用取引により財産を得たとき
8 虚偽の債権者名簿を裁判所に提出し、または裁判所に対し財産状態につき虚偽の陳述をしたとき
9 破産者が免責申立前7年以内に免責を得たことがあるとき
10 破産法に定める破産者の義務に違反したとき
 

上記のいずれにも該当しないのであれば免責されますが、実際はその判断が微妙なことも少なくありません。
そういった場合に、画一的に免責になる・ならないという2つの選択肢しかないと柔軟性に欠けるということで、多くの裁判所では一部免責という取扱がされています。
これは、例えば1000万円の借金のうち200万円を支払えば、のこりの800万円については免責をする、といった感じです。
この基準は裁判所によってまちまちですので、気をつけて下さい。

Q15 自己破産の申立てをすると何回、裁判所には行くの?
A ~同時破産廃止であれば1回~
平成 16 年までの申立てであれば、破産審尋1回と免責審尋1回で 2 回は裁判所に出頭する必要がありました。しかし、破産法の改正により、免責審尋は必ずしも行われなくなりましたので、同時破産廃止のケースであれば、破産審尋の1 回で済むことが多くなると予想されます。
出頭した際は、裁判官から直接口頭で、破産申立書や陳述書に記載された内容、つまり自己破産申立の事情、例えば負債状況や資産状況、支払能力などについて質問されます。
なお、この審尋は申立後1 ~ 2 ヶ月後に指定されるのが通常です。